君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

(プロポーズって言葉は何となく予想していたけれど………っ、改めて、李人君から聞くと破壊力がありすぎるよ………)

「………優葉」

そんな事を思っている優葉を知ったか知らずか李人は口を再び開いた。

「………俺は、まだ俳優としては少し人気がでてきたばかりの未熟者で、今はまだ優葉との関係をイトコ以上だと誰にも言う事はできない。ーーーだけど、これだけは言わせて」

そう言うと、李人は優葉を今度は真摯な目で射抜いた。


「俺が、 今の人気を確立して………演技の実力もつけて。同年代の俳優を誰も匹敵させないほどになったら。
事務所も、マスコミも、誰も、俺がすることに対して文句は言わない。 誰も俺達の邪魔なんてしない。
それを俺は、多くとも五年でやりきってみせる。
だからその時がきたら………、俺に、本物をここにつけさせて」

そう言いきった李人が、指差したのは優葉の左手薬指だったーーー。

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