君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
"今の" ーーーそう、晴夏は思った。
つまり、李人に想いを伝えるのが性急すぎたのだと。
暫く、時が経てば、李人は優葉より自分を見てくれる。
容姿も、 頭脳も、 性格も。
優葉に劣っているところなど、何一つないのだから。
そう思った晴夏は、李人が俳優になるといい、東京に転校した後も、優葉の傍にいた。
時には、気晴らしのため、他の男性と付き合っていたが晴夏の李人への想いはけして、色褪せることは無かった。
しかしーーー
「好きって………、何でなのよっ………!何でっ………」
晴夏は、先程、李人に優葉への想いを打ち明けられた事を思い出し、 悲痛な声をあげた。
優葉になど、負けるはずはないと信じて疑わなかった。
自分より、何もかもが劣っている優葉に………李人を取られるはずがないと。
最後に勝つのは、紛れも無い晴夏だと。