君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
しかし、李人に選ばれたのは優葉だった。
そして、優葉もまた李人の事を想っており、2人は今、 相思相愛だ。
優葉は、けして李人への想いを口にださないが、"李人を好きか" "李人に彼女がいるのか"とタイミングを見計らって、聞けば大体の優葉の反応で分かる。
そして、何より先日、食堂で昼食を取っている時、優葉のスマートフォンが李人の名前を表示した。
そして優葉はまるで、とろけそうなほどに嬉しそうな顔で李人と、会話をしていた………。
その優葉の喜悦の表情を思い出せば、晴夏の心は、 激しい嫉妬と怒気で塗りつぶされた。
「何で………、優葉なんかに負けないといけないのよ………! あたしが、誰よりも好きなのにっ………、橘君を、取られないといけないのっ………!」
(どうにかしなきゃ。 ーーーどうにかして、 あの2人を別れさせなきゃ………)