君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

これほどまでに美しく、そして性格も良い優葉を、先程のように周りの男が放っておくはずがない。

(参ったな………)

そう思えば、李人は急に焦りを感じた。

今までは優葉に会えずとも、俳優として名を馳せるまでの辛抱だと思っていた。

ーーー李人の初めて見つけた夢。

優葉も、心の底から李人が俳優になることを応援してくれていた。

だからこそ、それを叶える為、必死だった。

夢を叶え、そして優葉に自分の想いを伝える。

………優葉を李人だけしか愛せなくなるほど、男として魅力的になると決めた。

だがーーー、今の優葉を見ているとあまり悠長に構えている暇はない。

(俳優としては………それなりに名を馳せている時だ)

数年の下積みを経て、現在李人は10代から20代までの若手俳優の中ではトップクラスの人気だ。

このままでいけば、間違いなく李人の俳優人生は約束される。

予定より少し早いが後は、優葉のみだ。

「………あのさ、優葉」

「んっ?」

「さっきみたいなのは………よくあるの?」

「さっき?」

「………ホラ、さっきのナンパ」

「え!? いやいや!ないよ!だって、私だよ!?」
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