君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

ーーー"優葉の秘密"

その思いもかけなかった言葉に、和泉は眉をひそめた。

「………どういうことですか?」

和泉が興味を示したことを気に入ったのか、晴夏はニコリと微笑んだ。

「瀬名君。 ーーー橘 李人って知ってる? 今、人気の俳優なんだけど」

「………はい。 一応」

知っているもなにも、優葉の従兄弟であり恋人だ。その存在を忘れたくとも、忘れられるわけがない。

(けど、ここで橘 李人の名前がでるっていうことは………まさか)

その和泉の嫌な予感は的中した。

「優葉は、橘君とイトコ同士なんだけど………。 あの2人、付き合ってるの。

私はあの2人と中学が一緒で昔からよく知ってるし、恋人として連絡を取り合っているのも見たことある。だから、確かな情報」


そう言い、晴夏は底意地の悪い笑みを浮かべた。



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