君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「………さて、どうする?」
李人は、優葉の唇をつうっと指先でなぞる。
「ッ、李人君、練習はっ………」
「今のシーンで取り敢えず、ひと段落したよ。 今日、帰るっていうのに………お前がそんな可愛い顔をするのが悪いよ? 優葉」
李人は、そう言い艶のある瞳で優葉を見詰めた。
「………ッ」
その瞳に、見つめられては優葉にはもうなす術がない。
そうしている内に、李人の唇が近づいていたーーー時だった。
「………電話だ」
室内で鳴り響く、ベルのような着信音。
「仕事用の方か………。 なんていうタイミングでくるかな?………ちょっと待ってて? 優葉」
そう言い、優葉の頭をまた軽くポンと叩くと李人はテーブルに置いていた黒のスマートフォンを手に取る。
一方優葉の心臓は、まだこれでもかもいうほどに、ドキドキとなっていた。
(っ、ほ、本当なんていうタイミング………)