君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「顔、結構可愛いし、見たら覚えそうなんだけどなぁ………。なあ、和泉?」
遼馬のその問いかけにより、和泉の意識は優葉の写真から、一気にその場へと引き戻された。
(とりあえず、今はここを去るしかない。………コイツらと優葉を会わせる訳にはいかない)
「俺は知らないし、見たことない。ーーーそれより、遼馬。 今から俺たち、バドミントン部見学だったけど?」
「は? それ明日じゃーーー」
「"今日"だよ。さっさと行くよ。 という訳で失礼します」
そう言い、和泉は軽く鈴木に頭を下げると早足で大学へと戻っていく。
「え、おい、和泉! せっかく俺の事も取材してもらおうと思ってたのにっ………!」
そんな和泉を追うように、遼馬も大学内へと戻るのだったーーー。
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ーーーしばらく、歩みを進めた後。
教育学部の1号館前までたどり着いた和泉は、後ろを振り向いた。
「………よし、来てないな」
「ったく、和泉!本当に今日、バドミントン部の見学だったか!? しかも、異常に足はえーーーよ、お前!! あれに早歩きなんて名前つけるなよ!?」