君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「やっぱり明日だろ! あーあ、せっかくの俺の取材が………って、おいい!?無視かよ!」
和泉は遼馬の話を聞くことなく、すぐに電話をかけた。
『もしもし?』
「先生! 今どこにいるの?」
『瀬名君?ど、どうかしたの?』
その相手は、優葉だった。
優葉はいつもの和泉とは違う、どこか焦っているような声に戸惑った。
『いいから、今どこにいるの?』
「どこって、さっきゼミが終わって今から帰るところだけど………」
『帰るってまさか正門から?』
「うん」
『ーーー行くな』
「えっ? どうしてーーー」
『いいから行くな。事情は後で説明する。教育学部の1号館前にいるから、とりあえずそこに1人で来て。 分かった?』
「………っ、うん。 分かった」
優葉は、何が何だか全く検討がつかなかったが和泉の押しの強さに頷くほか無かった。