君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー


「………どこか、お墓参りへと行かれていたのですか?」

関本も優葉と同じ事を思い、和泉にそう尋ねた。 するとその瞬間………

「………うるさい!!いちいち詮索してくるなッ! アンタ、俺の身の回りの世話を任されたんだろ? だったら、黙って家事だけをしとけばいいんだよッ!」

和泉は、また人が変わったように関本に怒鳴り散らした。

そして、勢いよくベンチから立ち上がると関本を置いて速足で歩き出した。

「………ッ、和泉様! 申し訳ございませんでした!運転手の藤田がおりますからお車でーーー」

「歩いて帰るからいいッ!」

「和泉様………!!」

(ッ、どうして…………)

なぜ、和泉が自らの事を気にかけてくれる人間に向かって、あんなにも拒否反応を起こすのか優葉には理解出来なかった。

だが、それと同じ位、優葉は和泉の涙の理由が気になって仕方がなかった。


(あの瀬名君があんなにも泣いていたのに………ほっとけ無いよ)


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