君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
和泉の声が、背中に感じる温かさと共に優葉の耳にストンと落ちる。
「落ち着いたね。 さぁ、息を吐いて。1、2、3………。 はい、また吸って………吐いて」
「ふぅ………」
「1、2、3………。 そう、よく出来たね」
そう言い、優葉に微笑む和泉を見、遼馬も言葉を失っていた。
(すげぇ………! こんな和泉、見たことない………!好きな子の前だとこんなにも優しく、柔らかくなるのか………!そして、この女(ひと)も)
遼馬は、優葉に視線をうつした。
「ありがとう………、瀬名君。 少し、落ち着いたみたい………」
今度は優葉も、和泉に微笑み返す。 それは、和泉に負けじと劣らない程の穏和な笑み。
「うん。 ………良かった」
優葉と和泉、2人の間には穏やかな空気が流れ続ける。遼馬は、それを見逃さなかった。
(この女(ひと)も………、和泉のこと同じ目で見てんじゃん。 ………お似合いだよ、お前ら)
遼馬は、軽く微笑み、息を小さく吐いた。