君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

そう優葉が言えば、和泉は心底驚いたように目を見開いた。 

そして、 なぜかおでこに右手を当て"はぁ………"とため息をつく。 

「………本当、アンタって」

「え?」

「他の男がいると目が離せないね。 ………アホ過ぎて、本当どうかしてるよ」

「っ、はぁ!?な、何それ、ひどい!!」

和泉の言葉の意図が汲み取れない優葉は、思わず金切り声をあげた。 

「はいはい。それはそうと、話がある。ーーー週刊文花についてね。 だから、さっさと行くよ」

「え、行くってどこに………って、ちょっと!」

和泉は優葉に反論の余地は許さず、左の手でその手を取った。

そして、右手で電話をかけながら遼馬に言う。 

「本当に悪いな、遼馬。 大事な用ができた」

そう和泉が言えば遼馬はニカッと微笑んだ。

「いいってことよ!」


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