君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

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無事に大学を抜けた優葉が辿り着いたのは、

「こ、ここって………瀬名君家!?」

何を隠そう、和泉の実家だった。 

「何驚いてるの? 前も来たことあるでしょ?」

ガレージに車を置いた和泉は、優葉を訝しげに見る。 

「来たことあるけど、そうじゃなくて………っ」

和泉には前に告白され、しかも生徒だった相手だ。 

そのような男(ひと)の部屋に入ってもいいものか、優葉は悩んだ。 

「そうじゃなくて?」

「いやだから、そのっ………」

(生徒だったことはまだしも本人を目の前にして、告白された時の事を言える訳ないよ………!!)

そう思い、焦りから優葉は、段々と顔を赤く染めた。

「………!」

そんな優葉がやけに愛らしく、和泉の胸は高鳴る。 

「ったく………。 なんて顔、してんの?」

「え!? か、顔っ!?」

「アンタね………、その顔はーーー」

(まるで、ーーー俺を意識してるみたいだよ………)
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