君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「もう!! 信じられない!」
見ると優葉は、すっかりいつもの調子に戻っていた。
「………信じらんないのは、先生の変顔だよ。 いいから、さっさと行くよ?」
そんな優葉を見、和泉は気持ちを切り替えるため、そう言うとやや早足で歩き出す。
「え!?ちょっと、瀬名君!?」
優葉もそれにつられ、和泉の後を追いながら瀬名邸へと向かい出した。
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優葉が瀬名邸へと足を運べば、とてつもなく広い空間ーーー玄関が目の前に広がった。
ホールは白、たたきは、きなり色で統一感がある。
また、大の大人が4人は余裕入るであろう姿見がホールとたたき色に跨って設置されていた。
「これが玄関………? え? 瀬名君のご家族って10人いるの? 20人?」
「………んな訳ないでしょ。 どこの子沢山家族だよ?」