君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「ええ。 でも、大丈夫ですよ。いつものことですし」

「いつものことって………。いくら娘さんの学費のためだからって、ここで8時間働いて、それからまた4時間内職って………過労死したいの?」

「過労死ですか………。 フフ、それは、避けたいですね」

「でしょ? だから、俺も手伝うよ。 あ、先生は先に俺の部屋に行ってて? 
そこの階段を登れば、一つドアが閉まってる部屋がある。 そこだから」

「………」

「ーーー? 先生?」

「あっ………! ご、ごめん! なに?」

(びっくりした………。 最初に塾で見た時と、接し方が全然違う)

優葉は、すっかり丸くなった関本に対しての和泉の態度に目が釘づけになっていた。 


「ったく、聞いててよね。 飲み物持っていくから、先に俺の部屋に行ってて? 
緑茶に、コーヒーに、あとサイダーも一応あるけど。 なにが好き?」

< 454 / 660 >

この作品をシェア

pagetop