君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー


『笹原さん! 瀬名君は、扱いが難しい生徒だから気持ちは分かるけど………感情的になると他の生徒も驚くから。 僕達も、もっと注意して瀬名君を見とくけど………今度から気を付けてね』

(………完全に我を忘れてた)

和泉の授業後、 田倉に苦笑いをされながらそう注意されたのを思い出し、優葉はため息をついた。

そして今、向かっているのは和泉の家だ。

和泉が、わざとなのかは定かでないが、古文の宿題を忘れて帰宅したのと………ミッションにしていた和泉の涙の理由を聞く為だ。

和泉に、個人情報がうんぬんと言われたら佐倉に今日の謝罪も加えて、和泉に宿題を届ける許可は取れたと言い張ろう。


「確か名簿に載ってた住所はここ………って」

(…………で、 でかいっ!)

優葉は、目の前に佇む豪邸に絶句した。

小中学校の校庭ほどの広い敷地に張り巡らされた鉄格子に、巨大な門。

門の先に見えるのは、 西欧風に手入れされ、色取り取りの花が咲き誇る巨大な庭園。

そして、その先には3階建と思われる横に広く屋根が赤、そして壁一面が白の巨大な洋風の屋敷があった。






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