君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

関本にそう言われたとき、先ほど車内で言われた和泉の言葉が優葉の頭に浮かんだ。

"守るよ、絶対に。 ………今度は俺が"

「………っ」

その瞬間、優葉はまた胸がキュッと締め付けられるのを感じた。

「ーーーいい、のでしょうか………?」

「先生?」

「私が今、抱えていることは………、とても私にとっては大変なことで。 だから………一人ではとても無理そう、で」

「………えぇ」

「だから、頼る誰かがいても………いいのでしょうか………?」

「先生、それはーーー」


「………いいよ」

「………っ?」

「………先生。 だから、ゆっくり話をしようか」

いつの間にいたのか、優葉の背後に和泉がいた。

関本の話に気を引かれ、全く気が付かなかった。

「っ、瀬名君………」

「ありがとう、関本さん。 後は俺に任せて? 必ず、ご期待にそってみせるから」
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