君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「………アンタのそういうとこ。 だめだよ」

「………ッ!!」

「これだけは、俺も譲れない」

「瀬名君………っ」

「ねぇ、先生。 ………話して。 アンタが今、聞いて欲しいことを全部。

………全部、大事にする。 先生のことなら、全部大事にするから」

ーーー和泉の真摯な目が………優葉を射抜く。

「………私」

「………うん」


「ーーー怖い………」



その目に引き込まれると、同時に優葉は………和泉に心の内を吐露していた。

「………怖い?」

和泉がそう書き返せば、優葉はコクリと頷いた。 

「さっき………、 週刊誌の記者がいるって、 私を探してるって知った時………、とても怖かった。 

これからどうなるのか。 一体、どうして私たちのことがバレたのか………。 

李人君の仕事は大丈夫なのか、私たちはこれから一緒にいられるのか………。

色んな考えが頭を巡って、でも、何も見えなくて………。 怖い………」

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