君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

ーーー怖い。

ーーー怖い。 

怖い………。

(でも………こんな言葉を言えるはずがない。

李人君には、せっかく掴んだ夢をとことん追いかけて欲しい。

だから、何があっても大丈夫だと………、私は李人君が傍にいなくても大丈夫だと。

そう思い続けるしかなかったのに………)

「.………なん、で」

「………?」

「なんで………、 バラすの?」

「先生………」

「私の心………、 ーーーどうして、バラすのっ………!」

関本の言葉といい、和泉の今の態度といい………優葉が隠していた心を全て暴いていく。 

けして、触れられたくなかった感情に火をつけられる………。 

「どうして……….。 そっとしておいてくれないの! ねぇ、どうして………!!」

和泉に心の核心に触れられたことで、優葉は冷静でいられなくなっていた。 

涙ながらに和泉の胸を右の拳で叩き続ける。




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