君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「どういう………意味ですか?
そこまで、俺達の気持ちを察していてくれていて………そんな苦しそうにして。
それで、なぜ、別れろなんていうんですか………?」
李人は、斉木の思わぬ表情に動揺し、頭が混乱しつつも、懸命にそう尋ねた。
そして、斉木は言いにくそうに口を開いた。
「………確かに、日本ではイトコ同士の婚姻は認められている。 それは事実だ。 ………けどな、世の中にはその事実なんて関係ない奴らがいる」
「………?」
「つまり事実がどうあろうと、意見としてお前達の関係をよく思わない奴らがいるってことだ。
そして、そんな奴らがお前たちの関係を知れば徹底的に攻撃してくるだろう。
そこにお前の俳優としての実力は関係ない。
………理由は、血繋がっていること、親類関係にあること。それで十分だ。
奴らはそれを良いことに、良からぬ言葉でお前を塗りつけるんだよ。
"血のつながりのある女性と関係を持った、倫理や、道徳に反する俳優だ"ってな………。
それが………、お前の俳優生命にとっては命取りになる。 スポンサーも黙ってはいないだろう」