君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
ーーー俳優生命と、優葉。
そのどちらかを選ばなければ………、どちらとも失う。
それが血のつながりのある従姉妹を愛した………、優葉を愛した代償。
その事の重大さに、李人は初めて気が付いた。
「………少し、時間を。 時間をください………」
李人は、いつにもなく小さな声でそう返答するので精一杯だった。
憔悴しきった李人に、斉木も苦しげに眉を寄せ、"あぁ"と呟くのがやっとだった。
ーーーしかし、 李人や斉木が思った以上に………時間は待ってくれないのだということを。
事態は、急速に動いていたのだということを………彼らは数日後、身をもって知ることとなる。
ーーーーーーーーーー
「………李人君」
(今日もでない………)
その日は、秋の訪れが近づいてきた9月の後半だった。
街は色とりどりの紅葉に彩られ、景色は紅や橙色に染まっていた。
そして、優葉が李人と付き合いだし1年が経っていたーーー。