君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「………ゆっくりでいい。話してくれる?」

そう問う小春の声は、 とても柔らかかった。 その声に安堵した優葉は勇気を振り絞ることができ、口を開いた。

「私、李人君と………付き合っています」

「優葉………」

「付き合いだしたのは………1年前からなの。 だけど……….、私は小学生の頃からずっと、李人君が好きだった。

そして、李人君もずっと同じ気持ちだったと………言ってくれた。

隠しているつもりは全くなかったの。 

ただ、李人君がもっと俳優として地位を確立したら………、李人君は私とのことをお母さん、お父さんや夏子おばさんたちに言うって約束したの。

そこには、何も障害はないだろうからって。 俳優として不動の地位を築けたら………、皆んな、李人君のために動くから。 だから誰も邪魔をしないだろうから………って」



< 493 / 655 >

この作品をシェア

pagetop