君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「そ、そうでしたか………。 こちらこそすみません。お名前を初めて見たので………」

ーーー大学の後輩で、優葉の元生徒。

それを聞き、小春は思い出していた。優葉が時折、塾のアルバイト先の話をしてくれていたことを。

詳しくは個人情報のためと言わなかったが、確か一人心を開かない生徒がおり、中々仲良くなるのに苦労したという話があった。

そして、その生徒は確か優葉と同じ学部に進学して教師を目指すとも。

それを言っていた優葉の嬉しそうな明るい笑顔が脳裏に焼き付いていた。

(まさか、彼がそうなの………?)

ーーー彼が、優葉が言っていた生徒であれば。

彼は………優葉を大切に思っている一人なのかもしれない。

(一縷の望みだわ………。 でも………)

「………瀬名さんで、いいですね」

『………はい』

「っ、 瀬名さん。 あなたは………、 なぜ、今日優葉に電話をしたの? 聞いてもいいかしら………?」

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