君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「………い」

「………?」

「お願い………。優葉が………、優葉が倒れたの………。私一人じゃどうにもできない………。
情けない母親だと分かっています。けれど、お願い………。どうか優葉を助けて………」


記事のためなら、人を貶めることも厭わないマスコミや………、これから何も知らずに好き勝手な事を言い、優葉を傷つけるであろう世間。

それらに対応するには、小春だけではあまりに力不足だ。

しかし、優葉の弱さを理解し一緒に戦おうとしている和泉なら………優葉を救える大きな力になると。

小春はそう強く感じたのだ………。

「………助けますよ」

「………!」

「俺は、先生が幸せになることを一番に望んでいます。だから、助けますよ。 ………医者を連れてすぐに向かいます。 住所を教えて頂いても?」

「………っ、ええ!」

小春は、和泉の返答に希望の光が差し込んだように思え、 沈んでいた心が浮かび上がってくゆくのを感じた。


< 503 / 660 >

この作品をシェア

pagetop