君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「だから………、思いっきりぶちまけて。 残りの二つ、何が不安なのか。 時間かけてもいい。 俺は………いなくならないから」

「………!」

"いなくならないから"

その言葉を聞いた途端………、優葉の胸に今まで閉じ込めてきたものが波のように押し寄せてきた。

「………ッ」

「………先生?」

「………くん」

「………え?」


「ーーー李人君………っ」


その名を口にすれば、もう止まらなかった。


「どうして………、連絡くれないの? 東京に行った日から何日も………ずっと連絡がない………っ。 こんな状況になっても………メッセージのひとつも返ってこない………ッ」

ーーー仕方がない。 

(ずっと………そう思ってきた)

普通の大学生の優葉とは違い、李人は分刻みのスケジュールで動いている。

だから、連絡が返ってこないのも………電話に出てくれないのも………仕方がない。 
 

李人は、芸能界ーーー俳優という才能が大きくものを言う世界で必死に闘っているのだから。

仕方ない………と。

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