君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
李人はそうポツリと言った。
やがて、スマートフォンの音は鳴り止んだ。
しかし代わりに留守電が入ったらしく、李人はそれを聞く。
そしてその目が、見張られたのを斉木は見逃さなかった。
優葉とのことが露呈されてから、李人の表情がこんなにも変わるのは初めてだった。
「………李人」
「………」
「何があった?」
「………優葉が」
「………え?」
「優葉が………倒れたそうです」
李人がそう震えた声で言ったのを聞き、斉木は強い衝撃を受けた。
「倒れた………?」
「記者が優葉の実家に押しかけて、 俺とのことを質問ぜめにしたと。 それで、ストレスから倒れた………と」
そう言う李人の瞳はまた悲しげに揺れ、悔しそうに唇を噛んでいた。
「大丈夫………なのか? 優葉さんは………」
「分からない………。 分からない。 でも、一つだけ確かなのは………
ーーー俺が、 優葉を守れず傷つけたことです………」