君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

言葉と裏腹にいつもと何ら変わらない明るい李人の笑顔。

なぜ、そのように笑えるのか………優葉は恐ろしくて、悲しくて仕方がなかった………。


「………なんでかって? 変な質問をするね、優葉」

そう言って、李人は優葉の髪に指で触れ、サラリと流す。 

「変………? 私が………?」

「言ったじゃない、優葉。けど、分からないならハッキリ言おうか」


「………ッ」


「ーーー邪魔だよ、優葉。俺が俳優として生きていくには、邪魔だ」


「………!」


「………優葉。 ………だから、いらないよ。お前」


ーーーハッキリと、 冷淡な目線と声でそう言われた時。


「………ッ!!!」


優葉は耐えられず、 その場から走り出していたーーー。 






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