君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「………何? 先輩」

「えっ………」

「ガンつけてんの? まあ、全然怖くないけど」

そう言い和泉は、どこか意地悪く微笑んだ。 

「ッ、ち、違うよ! 私はただーーー」

そこで優葉は言葉を止めた。 

(瀬名君が、カッコよく見えた………、なんて言えない)

そして、優葉はそのような事を思ってしまう自分にも驚いた。 

確かに和泉は、出会った時からかなりの美青年でそれは誰もが認めること。 

学内でも女子生徒がかなり噂をしている。

だから優葉も、何の躊躇いもなく、和泉に"イケメンだね"と褒め言葉で何回か言ったことはある。 

しかし、それが言えなくなっている。 

(一体、何なの………?)

「ねぇ、雷門の雷神みたいな顔になってるよ」

「えっ!? う、うそ!?」

慌てて優葉は、手鏡で顔を確認しようとする。 そんな優葉が、愛らしく和泉はプッと吹き出した。

「ハハッ………本当、バカだね、先輩。 冗談に決まってるでしょ、何回騙されるの?」

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