君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「なっ………、 ま、また騙したの!?」

「うん。 面白いから」

「人をおもちゃにしないでよ!」

「ハハッ」

和泉は、また優葉の反応がおかしく大きな声で笑った。 優葉が今日も無事に大学に来ていたことの安堵感もある。

優葉も和泉といると、からかわれるので腹が立つが元気が湧いてくる。 

「………思いっきり笑ったし。 お昼食べてないなら今からどうですか? 教育支援の授業で聞きたいこともあるので」

「あ、う、うん!」


ーーーーーーーーーー

優葉が和泉に連れられた先は、 瀬名邸であった。

和泉は、李人との別れがあって以降、こうして優葉を授業の合間をぬって邸宅に連れて行っては、お昼を食べさせてくれる。 

大学では、ゆっくりとできない話を和泉はここでいつも優葉に聞いていた。 

優葉が一人で李人とのことを背負い込んで病まないように。 今、自身ができる精一杯のことだった。


< 563 / 662 >

この作品をシェア

pagetop