君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「せ、瀬名君………」

「聞いてないよ」

「えっ?」

「先生のお腹の音なんて聞いてないよ。 だから、ちょっとは落ち着いたら?」

そう言い和泉は、意地の悪い笑みを浮かべた。

「なっ………! しっかり聞いてるじゃない!!」

「うるさいよ、先生。 まったく………近所の人が驚くでしょ?」

「だっ………誰のせいだと思ってーーー」

「………ところで」

「?」

「ここの近くにうまいビーフシチューをだす喫茶店があるんだけど。 他にもメニューあるし、良かったら付き合って?」

そう言って、和泉はいつの間にか助手席のドアを開けていた。 

やり方は意地が悪いがどうやら、優葉の腹の虫に付き合ってくれるようだ。

「あ、ありがとう………」

「別にお礼はいらないよ。 だって、先生が俺に付き合うんでしょ?」


そして、和泉はどこか満足げに微笑んだのだった。






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