君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「元気にしてた?」
久々に会った晴夏は、いつも以上に溌剌としていた。
そんな晴夏に優葉は少し胸を撫で下ろした。
しかし晴夏はーーー、 一人で優葉の元に来たのではなかった。
「篠村さん! この人ですか?」
「うん、そうだけど。 確かにそうじゃない? 一応もう一度よく確かめてみたら?」
晴夏はなぜか、綺麗な黒髪が特徴の美女を連れていた。 そして、優葉はその顔に見覚えがあった。
「………晴夏。 その人は………」
優葉はいやな胸騒ぎを覚えながらも恐る恐る、晴夏にそう尋ねた。
「ああ!ごめん、優葉! 紹介がまだだったね! ていうか、あたしも今日初めて会ったんだけど。
真由(まゆ)ちゃんっていうの。 後輩の友達。 近くの短大に通ってるらしいんだけど、優葉にどうしても会いたいって」
「私に………? なんで?」
「正確にいえば、 "忠告"みたいだけど?」
そう言い、晴夏はイヤな笑みを浮かべた。