君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
晴夏のその叫びは、悲痛にも似ていた。
そして………それは、優葉にとって思いもかけなかった事実。
「え………」
(李人君を好き………だった? 晴夏が………?)
「信じられないって顔して………ほんっと、ムカつくわ………優葉。 こんなにトボケた女を選んだ橘君にも腹が立つ。 だから、週刊誌に送ってやったのよ!! アンタたちが一番傷つく形でね!!」
「っ………!!」
「………でも、いい気味ね。 優葉」
そう言い、晴夏は今日初めて心から楽しそうに優葉に微笑んだ。
しかし、その笑みはーーー悪意で歪んでいた。
「いつもアンタの傍にいる………瀬名君。 とんだ、遊び人じゃないの」
「っ、違うっ………!!」
「何が違うのよ? あの顔と家柄で散々、女を弄んで捨ててきたらしいじゃない?
アンタの傍にいるのだって………ただの気まぐれかもよ? 散々、甘やかしてその気にさせたら………優葉。 アンタのことだって、まるでゴミみたいに捨てるんじゃない?」