君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

ーーーーーーーー 

ーーー翌日 

「何してるんだろう、 私………」

午前6時。

澄んだ朝の空気の中、優葉は瀬名邸の前に立っていた。 

昨日、優葉は結局眠ることができなかった。 

和泉を傷つけたことを深く後悔し、泣き続けたからだ。

しかし優葉は合わす顔がない、拒絶されたらと思いながらも、どうしても和泉に会いたい気持ちを抑えることができなかった。 

そのため、出勤前の関本に会いプレゼントを渡すという名目でこのような朝早くから瀬名邸にいるのだ。

優葉はそんな自分に苦笑した。

「拒絶されるのが怖いのに、会いたいなんて………」 

ーーー矛盾している。 

この気持ちが一体何なのか、優葉は掴めそうで掴めない。 

こんなにも会いたくて、 その心を大切にしたくて

けして失いたくなくて

ーーー自分だけを

「見て欲しくてーーー………」

そう思わず口にした時、優葉はハッとした。 

"自分だけを見てほしい"

その言葉に驚きを隠せなかった。
< 608 / 660 >

この作品をシェア

pagetop