君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「失礼ですが、どちら様でいらっしゃいますか? 何かご用でしょうか?」

女性は、興味と懐疑が混ざったような口調で優葉にそう尋ねた。 

「っ、わ、私は………」

ーーーその時だった。 

「有華さん、こんな朝早くから何をまた勝手に外にーーー」

「………!!」

"有華"と呼ばれた女性の背後から現れたのは紛れもない和泉であった。 

そして、和泉は優葉に気が付き視線を止めた。 

「先生………?」

「ッ………」

「どうしてここに………」

和泉は心底、驚いた顔をして優葉を見ていた。

しかし、優葉は和泉が優葉以外の女性を名前で呼んだことにショックを隠せなかった。 

「え!? もしかして噂の優葉ちゃん!?」

女性もなぜだか、優葉の名前を知っており興味津々といった風に優葉を見つめてくる。

その和泉の表情と女性の態度は、今の優葉の心を深くえぐる。

「っ、どうして………朝早くから女の人がいるの?
彼女を………名前で呼ぶの?」


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