君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「え………?」

和泉が、優葉の言葉に大きく目を見開く。

しかし優葉はそれ以上二人の前に立っていられず、踵を返すと一気に走り出した。 

「………ッ、優葉!!」

和泉が、それに対し全速力で追いかけてくる。 

「待って、 ーーー優葉!!」

しかし男性の足の速さに敵うはずもなく、案の定優葉はすぐに和泉に右腕を掴まれた。 

「………っ、本当、驚かせないでよ………」

「ッ、離してッ………!!」

「なんで? ………こんな朝早くから、訪ねてきたのは先生でしょ? 非常識だと思わない?」

「っ、そ、それはっ………」

「………だから、理由を教えてくれるまで離さない」

「ーーー!!」 

そう言った和泉の目は真剣そのもので、優葉は和泉が本気でそれを言っているのだと感じた。

しかも、和泉の言っていることは正論で言い返すことができない。

「言って? 先生」

「………ッ」

「答えるから。 アンタが望むことなら、何でも」




< 611 / 660 >

この作品をシェア

pagetop