君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「え………?」
和泉が、優葉の言葉に大きく目を見開く。
しかし優葉はそれ以上二人の前に立っていられず、踵を返すと一気に走り出した。
「………ッ、優葉!!」
和泉が、それに対し全速力で追いかけてくる。
「待って、 ーーー優葉!!」
しかし男性の足の速さに敵うはずもなく、案の定優葉はすぐに和泉に右腕を掴まれた。
「………っ、本当、驚かせないでよ………」
「ッ、離してッ………!!」
「なんで? ………こんな朝早くから、訪ねてきたのは先生でしょ? 非常識だと思わない?」
「っ、そ、それはっ………」
「………だから、理由を教えてくれるまで離さない」
「ーーー!!」
そう言った和泉の目は真剣そのもので、優葉は和泉が本気でそれを言っているのだと感じた。
しかも、和泉の言っていることは正論で言い返すことができない。
「言って? 先生」
「………ッ」
「答えるから。 アンタが望むことなら、何でも」