君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

突然のことに今度は完全に戸惑った優葉に和泉はその耳元で囁いた。


「あんまりからかうと、またキスするから。 ………言っとくけど、さっきのあれだけじゃ足りないしね」

「〜〜〜!?!? た、足りないってあんなにしたのにっ………っ!?」

そう言った優葉の唇を和泉は塞いだ。

「………当たり前でしょ? どんだけ俺が今まで我慢したと思ってるの? 

言ったでしょ? アンタが好きで堪らないって。 ………有華さん達の言った通り、俺は女を好きになるのが初めてだから。 加減がわからない。 ………好きすぎて」

「和泉っ………んっ………」

「………ほら、止まらない」

そう和泉は甘やかな声で言うと、優葉の口を開かせ深く唇を重ね続ける。

「い、ずみっ………んんっ………」

「どうする?………優葉」

「ッ、んんッ………」

「まだ………俺をからかう?」

キスする合間から、まるで悪戯でもするかのようにそう優葉に言う和泉。

ーーー完全に形成逆転だ。




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