君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「………っ、はぁっ………」

やがて和泉の唇が一旦離れ、優葉の頭はぼーっとしていた。

ーーー和泉の体温と、優葉に対する想いの熱。 

そのすべてが優葉を瞬く間に和泉の虜にさせ、何も考えることができない。

目の前の和泉しか見えないーーー。

「………優葉?」

(ちょっと、やりすぎた………?)

ただ、和泉を見つめてくる優葉に和泉は一瞬たじろいだが。

「………き」

「?」

「私も………好き。 和泉のことが大好き………っ」

「………!!」

「だから、和泉の気持ちがとても嬉しい………」

そう言い、優葉はふんわりと笑うと和泉の身体を抱きしめた。 

再びの優葉の天然小悪魔的行動に、和泉は戸惑いと顔が再び赤く染まるのを感じた。

「〜〜〜ッ、本当にアンタは………っ」

「和泉………?」

「そんなことを言われたら、本当に離せないよ? ………本当、優葉って何なの? 将来、人を一人か二人盲信させられるんじゃない?」

「なっ、失礼な! そんな危ないことしないよ………んっ………」
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