君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

そう言い、有華は優葉の肩をガシッと掴み諭した。

ーーーあの体勢で無理もないが、完全に勘違いされている。

「あの、有華さーーー」

「ったく、勝手に妄想して優葉に変なこと吹き込むな!」

「だって、部屋であんなに密着して二人きりで、疑うわよ!」

「あ、ーーーあの!!」

段々と口論がヒートアップしていく和泉と有華にたいし、優葉は大声をだした。

二人はピタリとほぼ同時に口を閉ざすと、優葉を見る。そのタイミングで優葉は口を再度開いた。

「あの、誤解です!有華さん!」

「優葉ちゃん?」

「和泉は、その………付き合う前からずっとずっと私を大切にしてくれています。 ずっと想ってくれて、今日、好きだと言ってくれたんです。

私が深く傷ついた時も………一番、傍にいて支えてくれたのは和泉でした。

だから、和泉が私のことを"好きにした"ことなんてないに等しいんです」


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