君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

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愛車のアイボリーラパンを運転しながら優葉は、李人が俳優になると言った日を思い出し、はぁと溜息を軽くついた。

優葉は、実家から車で20分程度の所にある国立大学の教育学部の2年生で、国語科に在籍している。

将来の夢は、地元の中学校で国語教員になることだ。

「………李人君とは、全然違うな」

派手な事は好きでないため、毎日が勉強と学習塾のアルバイトの日々の優葉。

対して、ドラマや映画に引っ張りだこの売れっ子イケメン俳優の李人。

昔は近所に住んでいて、従兄弟である李人に距離など感じなかったのに。

今は………。

「………っ」

李人に、俳優になる事を一番に応援して欲しい、と言われたあの夏から誰よりも優葉は李人の活躍を楽しみにし、喜んでいる。

………それでも、今の李人はあまりにも遠すぎて、胸が締め付けられる。

そして、まだ李人のことがこんなにも好きなのだと痛感する。

一体、いつまでこの想いを抱き続ければ良いのか………。

「鬱になる………。やめよう、考えるの」

そう思った優葉は、再び運転に集中し始めた。

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