クールな彼のワケあり子育て事情~新米パパは甘々な愛妻家でした~
園長も難しい顔を見せたものの、やがてきっぱりと言った。


「来週登園されたとき、速やかにご報告しましょう。電話でなく、顔を合わせてお伝えすべき事柄と思います」

「わかりました」


納得できる指示をもらえたことで、私はほんの少し楽になり、頷いた。




【お疲れ。その後どうしてる?】


夜、シャワーから上がったところに、穂高くんからメッセージが来ていた。

おっ、と少し構えるような気分で、ベッドに上がって続きを読む。


【例の集まり、来月はみんな期末で忙しいから、再来月あたりになりそう】


期末という言葉に、そんなシーズンもあったなあ、と企業勤めしていた頃を思い出した。


【本決まりになったらまた連絡するね】


最後まで読んで、お礼を返信した。

自分が行く気なのかそうでないのかよくわからない。単純に、久しぶりに世界を広げるという意味で楽しみでもあるし、独身の集まりというわかりやすさに臆する気持ちもある。

果たして私がいていい場なのか。

私はなにを求めてそこに行くつもりなのか。


──ただの同級生って、本当ですか。


有馬さん。

私、あなたと律己くんとの話を聞いたとき、絶対に出さないようにしましたけど、心の奥のほうで、ひそかに思ったんです。

あなたに奥さんがいたんじゃなくて、よかった。

どうです、身勝手でしょう。

だけど淡く灯ったその想いは、間違いなく私の正直な気持ちで、この先私は、少なくともしばらくの間、これを抱えて暮らすことになるでしょう。

私が慎重に、あなたとの間に置いておいた、敷居のようなハードルのような、そんな障害物の一部を、あの話はぽんと、無造作に蹴散らしてしまった。
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