クールな御曹司の一途な独占欲
甘ったるく名前を呼ばれるたび、相手は私が本気だということを全然分かっていないということを感じた。
でもどうやったら伝わるのか分からない。
どうやったら相手を本気で拒絶できるのか。
「ハルカ。俺たちあんなにお互い愛し合ってだだろ?また一緒に暮らそうよ」
「本当に、もう、無理なの。分かって、本当に」
「どうして?・・・体の相性もすごく良かったじゃん」
「やめてよ!!」
耳を塞いだ。
一度はたしかに愛し合っていたのに、どうしてこうも変わってしまったんだろう。
どうして私は、こんなに相手を変えてしまうんだろう。
耳を塞いで目を閉じたのは、そんな自分のことが歯痒くて、どうしようもなく悔しかったからだ。
牧田さんのことも、こんな風にしてしまって本当に後悔している。
もっと良い付き合い方ができたはずなのに、私はこれからも、相手を貶めてしまうんだろうか。
「・・・ごめんね、幸一・・・」
悔しくて涙が滲んできて、目の前の彼にも申し訳なくなって、私は掠れた声でそう呟くのが精一杯だった。
牧田さんはどうとらえたのか、「大丈夫、ハルカは悪くないよ」と答えて、私を抱き締めようとしてきた。
無理だった。
無理だったけど、抵抗する気力がなかった。