after5はお手っ


初めてではないといっても、しばらく彼氏はいなかったからなんとなく違和感を感じる。
だけど一生懸命愛してくれるヒロトくんを見たら、私も全て受け止めたくなって、必死にしがみついた。
余裕がなくなってるのか、声の代わりに息づかいが大きくなっていく。

それに合わせて、私も声を漏らす。
本音を言えば、まだ持って行かれるほどの快感はない。
でも、汗が落ちる度、身体がぶつかる度、言いようのない幸福感でいっぱいになる。

「っんん・・」

不意に奥を突かれて、意識せずとも声が跳ねる。
多分ヒロトくんは気づいてないだろうけど、刺激を思い出した身体は勝手に動き、快感を倍増させていく。
無意識に腰を引いて膝をくつろげると、深くまで導けたのかヒロトくんもビクッと肩を震わせた。
自分も快感に戸惑った顔をしながら、乱れる私を見下ろしている。

「先輩・・」

ねだるように唇を開くと、初めて噛みつくようなキスをされた。
それがタガの外れた合図だったのか、お互い声にならない吐息が断続的に漏れる。
やがて高みに追いつめられて、しばらくするとヒロトくんも深く息を吐き、そのまま崩れ込んだ。


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