ハニー♡トースト


「…なんだよ」


思わず袖を掴んでしまった。


「あ…その…」


こういう時、なんて言ったらいいんだろう…


ポン、と優しく、彼の手が私の頭に触れる。


「お前はなんも心配すんな。俺のそばから離れるなよ」


それだけ言って、朔弥は背を向けた。


私は手を離して、彼の後ろをついていく。


その背中が、なんだか遠い気がして、苦しくなった。

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