ハニー♡トースト


朔弥やみんなが脅すから、どんなに怖い人が来るかと思ったら…


私は内心ホッとする。


「あれ?君は見ない顔だね?」


不意に社長の目が朔弥の隣にいる私に移る。


「桜田日向子です!半年ほど前からこのお屋敷で働かせていただいてます!」


私はそう言って頭を下げる。


「…朔弥がメイドを雇っているというのは本当だったんだね?」


そっと顔を上げ、私は固まる。


柔らかい表情で微笑むその顔の裏に、さっきまではなかった得体の知れない何かが確実に潜んでいた。


私は圧倒されて何も言えなくなる。


…こ、怖い…

< 171 / 233 >

この作品をシェア

pagetop