ハニー♡トースト
「君のような人が、朔弥とどうにかなれると?それが許されると?バカな話だ。君のようなメイドを雇って…親の権利と金だけで女を引っ掛けて、それ以外何もないくせにな」
「朔弥のことを悪く言わないで!」
自嘲気味に笑う社長に、強い声が出た。
社長が、訝しげにこちらを見る。
「朔弥様は、確かにわがままで、常識がないところもあります。初めて会った時は本当に最低な人間だと思ってました。でも、一緒にいてわかったんです、彼の側で働いて。優しくて、ここで働いているみんなのことを一番に気にかけていて、でも不器用だからどうやって表現したらいいのか分からなくて…。あなたは、そんな朔弥を知っていますか?苦しんで、傷ついている朔弥を…」
「…教えてくれてありがとう。君は十分よくやってくれたよ」
拒絶するかのように貼り付けた笑顔を向けられ、私はそれ以上何も言えなかった。