君の瞳にわたしが映っても(完)
修二の声が聞こえてわたしは我に返った。
「いやだったよな…」
修二の震えが伝わってくる。
「他の男に触れられて…っ。」
他の男…?
その言葉に引っかかったが、それはあえて聞かないことにした。
そして修二はわたしのシャツのボタンに手を伸ばしてきた。
「ちょっ、何してるの?!」
「お前、怪我、ぜってえ全部隠してるだろ。」
腹の痛みが増している。
「こうでもしなきゃ、お前、俺に嘘ばっかりつくんだもんな。」
そう呟いた修二の声は、なぜだか少し寂しく聞こえた。
「俺って…そんなに頼りねえか…?」
「えっ…。」
「っ、ごめん。んでもねえ。」