君の瞳にわたしが映っても(完)

「相川〜!パス!パス!」

男子の声が夕焼け空に響く。

「部活、今更だけど始めてみようかなー。」

バイトはしなくていいって言われて、今は放課後、自分のための時間が残されている。


「何がしたい?」

「うーん、サッカー部のマネージャーでもいいし。あっ、それに部活だけじゃなくボランティア活動とかしてみたい。」

したことがいっぱいあるって楽しい。

「ちゃんと勉強して、いろんな経験積んで、いい大学に受かって、楽しい仕事を見つけたい。」

人生はこんなにも輝いていたんだって、やっと気づいた。

辛いことがあったからこそ、当たり前な幸せに気づくことができた。

全部全部無駄だったわけじゃない。

高い壁を乗り越えるから、空が見えるんだ。
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