君の瞳にわたしが映っても(完)

「蓮くん久しぶりに見た。」


相川はわたしの隣にどかっと腰をかけながら言った。


「やっぱ、憧れる人だわ。カッケーなあ。」


兄ちゃん、かっこいいって。


よかったね。


「部活お疲れ様。」


「おう。」


くしゃっと笑う相川に心臓は破裂しそうなくらい動き出す。


長い睫毛とか。


汗で張り付いている前髪とか。


血管の浮き出た日焼けした腕とか。


水を飲むたびに動く喉仏とか。


わたしをじっと見つめる瞳とか…

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