こっち向いて笑って、先輩!
「……嘘、」
「勝った?!うちら勝ったの?!」
『優勝は1年5組です』
そんな放送が響きわたって、私たちは「わー!」っとハイタッチをしたり抱き締めあったりする。
教室では味わえないこの感じ。
あの教室の時々感じるギスギスとする空気を忘れそうになるくらい。
「真壁!よくやったな!」
「お前何が走るのはやめただよ!健在じゃねーか!」
「うるせーなー。時々マジになって走るのがいいんだよ」
友達と話してる真壁くんに目を向ける。
────バチッ。
あ、ヤバ、、目が合った。
正直、まだ真壁くんのことが怖くてどうやって接したらいいかわかんないんだ。
私は慌てて彼から目をそらす。