こっち向いて笑って、先輩!


「俺のことなんだと思ってんだよ、来原は。まじ笑うわ〜」


真壁くんは「あっちー、こんなに笑ったの久々」なんていいながら、ポケットに手を突っ込んでなにかを取り出した。


「はい」


っ?!


「えっ、これって……」


今日はなにかと差し出される日らしい。
如月先輩から、スポーツドリンクを。
真壁くんから……。


「『学食無料券』……え!これ、真壁くんがビーチフラッグスの懸賞でもらったやつだよね?!」


切り込みが入ったその券は、5枚繋がっていた。
なんでこんなもの私に渡すんだ。


「こんなんで許してもらえるとは思ってないけど」


「へっ、許す?」


「委員会の仕事、ずっと来原ばっかりにさせててごめん!」


え?
なんで?
真壁くんが私に謝っている?


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