こっち向いて笑って、先輩!


「そんな!謝らないでよ真壁くん!私だって、悪いところあったもん。助けて欲しいって本当はもっとちゃんと言わなきゃだった。でも、あんまり強く言ったら、真壁くんに嫌われるんじゃないかって、怖くて……」


「っ、やっぱりそうなのか……」


「ん?やっぱり?」


真壁くんは、私の横にきて、体育館の窓の鉄格子にもたれながら少し深呼吸をした。


「来原に嫌われてると思ってた。俺と委員会なんてやりたくないだろうなって。だからあんな風にサボって……」


「嫌いじゃないよ!なんでそんなこと……」


「っ、前に聞いたんだ。来原のグループが俺の陰口言ってるところ。だからその中にてっきり来原もいるもんだと思ってて」


「そんな!言わないよ!」


あ、そういえば前にちらっと、真壁くんと飯田が喧嘩した時にみんな真壁くんのことあんまり良い感じに話してなかったっけ。


飯田が委員会にこなかったのはそれよりも前の話だから、その時意外にもみんなが別のところで私が知らない間に、真壁くんの陰口を言っていたことになる。

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